そのケースでは何mmの印鑑が必要?用途ごとに知っておきたい印鑑のサイズ

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ビジネスや家庭など日常生活のあらゆるシーンで、印鑑を使用する文化が日本には根付いており、そのバリエーションも幅広く豊富です。ただし用途によって使い分ける必要があるため、どの場合に適切な印鑑を使うべきなのか、実はあまり理解できていない方がいるのも事実。

特に印鑑のサイズについては、デザインや素材以上に重視されるケースが多々あります。ここでは印鑑のサイズを中心に、用途に合った印鑑を紹介します。

誰もが使いやすい認印にふさわしいサイズとは

町内会の回覧板や宅配の荷物伝票などへ確認の意思表示をする際に、ネーム入りのサインとして使用されているのが認印です。日常生活の様々なシーンで繰り返し使用されている頻度の高い印鑑であり、一般的にはハンコと呼ばれて親しまれています。

ただし法律上の効力では、実印や銀行印と同等の証明になり得るので、取り扱いには一定の注意が必要です。したがって認印を検討するにあたっては、実印や銀行印など他の印鑑と明確な区別がつくように、異なるサイズを選ぶことが求められます。

ちなみに認印は12mmから13.5mmのサイズで、丸印タイプを選択するのが通常です。これは実印や銀行印よりもやや小さいサイズであり、他の印鑑との区別には最適な大きさと言えます。

法人認印はサイズも含めて慎重に検討すべき

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認印が活躍するのは、個人の日常生活だけではありません。ビジネスの世界でも法人認印と呼ばれる必須のアイテムで知られます。むしろビジネスの世界だからこそ、法人の権威や象徴そして信頼性を表示する必要があるため、法人認印の活躍するシーンが多いと言えます。

社内の回覧書や稟議書といった書類をはじめ、取引先との請求書や領収書または伝票に至るまで、ビジネスのあらゆるシーンで法人認印を目にすることができます。ただし個人で使用される認印とは異なり、法人認印はビジネス上のリスクまで考慮して、デザインを検討する必要があります。

特に会社実印や会社銀行印とは、サイズや書体あるいはフォルム等で区別しておかないと、盗難や紛失の場合に悪用されたり、悪意のある第三者に印影を偽造されるなどして、法人に多大な損失を招くことさえあり得えます。

このようなリスクを回避するために、法人認印では丸印タイプとは別に、角印タイプをそろえる企業も珍しくありません。社内では丸印タイプを使用する一方、社外向けには角印という使い分けも見られます。角印はその名称の通り、四角いフォルムの法人認印であり、通常は社名のみが彫刻されています。

サイズは20mm程度が一般的ですが、社名の文字数が多いと、25mm前後のサイズを選ぶ法人もあります。また社名の書体についても、会社の内外で誰もが可読しやすいことに加え、印影を偽造されない書体を選ぶことが求められます。

ちなみに印鑑で可読性と偽造防止をバランスよく兼ね備えている書体は、篆書体とされています。そのためビジネスの世界では法人実印や法人銀行印と一緒に、法人認印も篆書体にする傾向があります。

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極めて重要な実印だからこそ作成にはこだわりを持つ

社会経験が増えるにつれて、様々なライフステージで実印が必要になるケースも目立ち始めます。自動車の購入をはじめ婚姻届や不動産登記あるいは保険金の請求といった際には、実印またはそれに基づいた印鑑証明書を求められることが珍しくありません。

実印は市区町村の役所で登録することで、公的に認められた印鑑として有効になります。そして印鑑証明書の発行も、これら自治体の窓口に申請するのが基本です。実印はあらゆる印鑑の中でも、法的または社会的な権利関係を証明する、極めて重要な役割を果たしていると言えます。

したがって実印の作成を検討するのであれば、それなりにこだわりを持つことが重要です。例えばサイズであれば、できるだけ大きいものを選び、信用性を高く見せることも大事。この点、実印のサイズは8mmから25mmまでが許容範囲とされ、手の大きい男性は16.5mmや18mm、手の小さい女性では15mmのコンパクトなサイズが好まれる傾向があります。

また実印であれば書体にもこだわらなければなりません。先述したように実印は権利関係を証明するための、極めて重要な印鑑です。偽造や変造されると大きな損害をこうむることも考えられます。このようなリスクを回避するには、偽造されにくい書体を選ぶことが肝心。

そこで実印に最もふさわしいとされるのが、吉相体と呼ばれる書体です。全体的に上下左右そして斜めへと、外に向かって八方へ力強く末広がる、判読しにくい書体が特徴。このようにあえて可読性の低い複雑な書体を選ぶことで、偽造や変造の防止が可能になります。

さらにこの書体は文字が外枠に接地する部分が多いため、印材に欠けや割れが発生しにくいメリットもあります。

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大切な資産を守るためにも銀行印を作っておこう

誰しも通常の社会生活を送る上では、銀行といった金融機関とは切っても切れない関係になるはずです。当然のことながら、印鑑が必要になるシーンにも、数多く直面することになります。預金口座の開設をはじめ、お金の預け入れや引き出し、さらには住宅ローンや投資信託の契約に至るまで、金融機関との関係では印鑑が必須のアイテムと言えます。

このため金銭面だけの使用を想定した印鑑として、専用の銀行印を作っておく方も珍しくありません。この点、銀行印を認印で代用している方もいますが、これはやめたほうが無難です。認印のように日常生活で使用頻度の高い印鑑の場合、紛失や盗難が起こりやすく、悪用されるリスクも増えるからです。

それが金銭面に関わる印鑑であれば、大きな損失を招くことにもなりかねません。このようなリスクを軽減するためにも、あらかじめ専用の銀行印を作っておき、他の印鑑と分けて厳重に保管することが大事です。したがって銀行印を作るのであれば、他の印鑑とは異なるサイズにして、書体も印影の偽造や改変しにくいものにすべきでしょう。

まずサイズは約12mmから15mmの範囲で、認印よりもやや大きめに作るのが、一般的な傾向として見られます。そして書体については、実印と同じく吉相体がベター。偽造や改変されにくいという点で、最も優れる書体と言えるからです。

大切な資産を守るためにも、専用の銀行印を作っておくことが肝心です。

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ビジネスでは訂正印にも注目すべき

日頃からビジネスで契約書や公的文書など、重要な書類の作成に関わる方もいることでしょう。このような書類の場合、誤字や脱字は禁物。とはいえ誤記載してしまった時には、訂正箇所に二本線を引いて正しく記載し直し、そこに訂正印を押して済ませるケースも多々あります。

実際にビジネスで書類を作成する機会が多い方の中には、訂正印が手放せないケースも珍しくありません。訂正印のサイズは、5mm前後の小さいものが一般的。これは認印のような大きさであると、印影が重なって訂正箇所が見づらくなったり、狭い余白で訂正印が押せなくなるなど、様々な不都合が起こるためです。

また訂正印の書体については、訂正すべき書類に応じて使い分けるのが基本です。例えば篆書体の実印を使用している書類ならば、同じく篆書体の訂正印を使用することが求められます。

用途に合った最適な印鑑を選ぼう!

ここまで紹介したように、一口に印鑑といっても様々なタイプがあります。その中には権利関係や資産あるいは会社経営に関わるような、重要な役割を果たす印鑑もあります。もし本来の用途とは異なる印鑑を使用すると、大きな損失を被ったり、他人に損害を与えることさえあり得ます。

まず適切な印鑑を選ぶには、用途に合ったサイズや書体あるいは素材やフォルムなどについて、よく理解しておくことが必要です。